要人警護に特化したサイバーパトロール開始、「襲撃の予兆」SNSから収集
昨年7月の安倍晋三・元首相銃撃事件を受け、全国の警察が要人の安全に関する情報に特化したサイバーパトロールを始めたことが、警察当局への取材でわかった。襲撃の予兆となり得るSNSの書き込みなどを収集・分析し、現場の警護に生かすのが狙いだ。
8日で事件発生から半年となる。4月に統一地方選、5月に広島市で先進7か国首脳会議(G7サミット)が控えており、警察当局は警護体制の強化を進める。
警察当局によると、警察は従来もサイバーパトロールを行ってきたが、違法薬物の売買や児童ポルノなどの摘発が目的で、要人に特化した情報収集は行っていなかった。要人の安全については、過激派や右翼団体など特定組織の情報を入手するなどし、未然に防ぐ手法を取ってきた。
だが近年、組織に属さない人物が人知れず過激化して「ローン・オフェンダー(単独の攻撃者)」となるケースが増えている。安倍氏の事件で逮捕された山上徹也容疑者(42)(殺人容疑で送検、鑑定留置中)も、1人で武器を製造するなどしていたとされる。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230107-OYT1T50303/